Quantcast
Channel: スポーツナビ+ タグ:打率
Viewing all articles
Browse latest Browse all 21

丸佳浩の今シーズンを振り返る①月別成績編

$
0
0
 最初に言っておくが、自分は丸の大ファンである。 だからこそ贔屓目で見てしまうところがあるが、それを差し引いても今年の丸は、CS以外は本当に素晴らしかったと思う。 そこで今回は、丸が今年どれほど素晴らしかったかを検証するために独自で集計したデータ(なので、多少誤差があるかもしれない)を皆さんに提示して自分なりの寸評を入れたいと思う。 一応「月別成績編」と「対戦別成績編」の2回に分けてお送りしようと思っているので、1回となる今回は「月別成績編」を行いたいと思う。 なお寸評を入れる際に用いるデータを表やグラフの形でまとめて何個か用意しているので、場面場面に応じて提示していこうと思う。 【月別成績をざっと見てみる】 まずは今年丸が残した月別成績表をご覧いただくと・・・ となっている。 これを見てもらいながら、これから行う項目ごとでの寸評をご覧いただければと思う。 なお項目ごとの寸評では、上記の表を補助する役割としてグラフも使って説明していきたいと思う。 【打率、出塁率、長打率、BB/K、TAについて】 まずは、上記の項目を説明する際に用いるグラフをご覧いただきたい。 6,7月は試合数が少なかったりした関係で打席数と打数が少なくなっているが、それを差し引いても打率、出塁率、長打率は月ごとに成績の上下動があったと感じる。 簡単にいえば「悪い⇒良い⇒悪い⇒良い⇒悪い⇒良い」という形。 打率や出塁率、長打率の基準がそれぞれで異なるわけだが、3・4月から5月は良くなり、6月は下降。そして7月に盛り返して8月に落ち、9・10月に再度盛り返している。 唯一長打率だけは3・4月よりも5月の方が低くなっているがほとんど変わっておらず、特に2つめのグラフにある安打数がその傾向にあることを考えると、大体は上記の傾向にあったといえる。  これは丸が続けて悪い成績を残さないという修正能力の高さがあげられるわけで、その点は評価できる。 逆に好成績を2か月続けて残すことができなかった(あくまで丸基準の話である。3・4月や8月の成績も普通は良い部類なのだが)点は来年への課題にはなりそうだが、それよりも月単位でしっかりと修正できていた。それは評価できると思う。 続いてBB/Kについてだが、まずBB/Kについて説明すると、「四球数÷三振数」を基にして出した数値であり、数値が1.000以上(=10割以上。要は三振数よりも四球数の方が多いということ)になると良いといわれている数値である。 そのBB/Kが1つめのグラフにあるので見ていただくと、6月にピークが出来て徐々に落ちていき、9・10月に少し盛り返したという結果になっている。 6月といえば打率や安打数が極端に落ちた月。 にも関わらずBB/Kが月で1番高いのはなぜなのか。 その理由を探るために2つめのグラフをご覧いただくと、四球数が極端に多いというわけでもなく、寧ろ月ごとでは6月の四球数が1番少なくなっている。 ただ三振数が6月はわずか7個。しかも三振をするまでに何打席掛かるかという指標になるPA/Kが6月は11と、月単位では唯一10以上の数値を出しているのだ。 となると、6月のBB/Kの上昇は三振数の低下が要因といえる。これが早打ちによるものなのかは6月におけるカウント別の成績などを集計していないので何ともいえないが、BB/Kの6月の急激な上昇は四球を勝ち取ったというよりもたまたま三振が少なかったということだと思う。 おそらくは好調だった7月に出した1.300台という数値が本来の最高値になると思われるだけに、6月の最高値は偶然の可能性があると思いたい。これは来年も見てみないと分からないところである。 続いてTA(Total Average)に関してだが、このTAというのは、自分が1アウト取られるまでに何個の塁を相手から奪うことができたかを示している。この数値が1.000を超えると、10アウトを取られるまでに1つの塁を獲得しているということになり、素晴らしい打者だという指標になってくる。 なおそれを計算する際には盗塁成功率や長打の種類が結構重要になっており、意外に併殺打の数も関係してくる数値である。 そこで長打の種類の増減を月ごとで見ていただくためにグラフを提示する。 このグラフと1つめ、2つめのグラフ、なおかつ最初に提示した表を見ていただきながら寸評を見てもらいたい。 まずTAの変化を見てもらいたいので1つめのグラフをご覧いただくと、こちらはより一層月ごとの上下動が見て取れると思う。 BB/Kなどと比べて純粋に打者の状態が見られる数値だけあって、特に6月から9・10月に渡る増減の変化は分かりやすくなっている。 ただ、3・4月と5月のTAは、5月の方が傾向通り良いのだがあまり数値の変化がない。 それがどうしてなのかというところで3つめのグラフをご覧いただくと、3・4月は三塁打3本で5月は三塁打0本。本塁打は3・4月が5本で5月は2本と減少。 ただ二塁打に関しては3・4月が3本だったのに対して5月は8本と増加。 その結果、単打以外の塁打数を見ると・・・ ○3・4月塁打数(単打以外):(2×3)+(3×3)+(4×5)=35 ○5月塁打数(単打以外):(2×8)+(3×0)+(4×2)=22 と、長打の面では確実に3・4月の方が良いわけで、その結果長打率も傾向には当てはまらない形(5月の方が3・4月よりも低い)になってしまったといえるのだ。 では、それでも5月の方が高かった理由は何か。 それを見るために表をご覧いただきたいが、このTAというのは先ほども説明した通り、打数、四球や盗塁死(=盗塁失敗)も計算に入れており、なおかつ安打数と併殺数も入っている。 表を見ると、盗塁成功率では3・4月の方が勝っているが、5月の方が盗塁死は1つ少ない。 そして、安打数が2つ多かった。 その点は、併殺打の数が2つめのグラフを見ても分かる通り3・4月と5月は同じで、四球も5月の方が2つほど少ない点を考えると結構大きかったのかなと思う。 と長々と書いたが、1番大きいのは打数の少なさだとは思う。 打数はTAでは母数になるので、3・4月よりもかなり少なくなったのは大きかった。 試合数の差は3試合だが、上位打線に入る丸は確実に1試合4打席は回ってくる。そう考えると、交流戦があったという事実が大きかったのかなとは思う。 【得点数、打点数】 続いて、得点数と打点数の月ごとの変化を見てもらいたい。 今年の丸は得点が100を超えた一方で、打点が3番としては少し物足りない67。 丸自身もベストナイン受賞時のコメントで来年への課題として打点を挙げていたのでここでは打点について見てみるが、不振だった6月はともかく、それ以外の月で打点が14以上を記録したのが3・4月と8月だけだったのは厳しいところだ。 ちなみに自分が月ごとで14という数字を挙げたが、これは単純に3番としては80打点以上が欲しいという希望から出した数値だ。 基本3・4月から9・10月までの間は6回分あるわけで、80打点以上を残すには「14」という数値が月ごとで必要になる。 それを考えてみると、調子の良かった5,7月に打点が14いかなかったことは勿体なかったと感じる。 特に、7月は本塁打数が5本。ただ5本のうち3本がソロホームランだったことは打点を伸ばせなかった要因なのかなとも思う。 ちなみに丸は今シーズン19本塁打をマークしているが、得点圏時(ランナーが2塁以上にいる)の本塁打数が7本で、それ以外にランナーを置いて記録した本塁打数が1本のみ。 あとはソロホームランが11本となっているので、来年はソロホームランのところを「ランナーが1塁にいる際の2ランホームラン」に少しでもなればというところだ。 ひとまず、丸の月間成績に関する寸評は以上である。 個人的に集計しているものである以上多少の誤差があるわけで、この寸評が一概に正しいとはいえないところがある。 だが大きな誤差はないとは断言できると思うので、この寸評が少しでも皆様の参考になればと思う。 今年の丸は高いレベルでの好不調を繰り返しながらも、しっかりと修正を果たせたシーズンを送れたと思う。 特に昨年は夏場に大きく崩れて打率がいつの間にか3割を切る事態になったわけで、それを今年は3割キープで終わることができただけでも成長したと思う。 来年は今回挙げた課題や個人的な希望(好調な月を連続で出してほしい等)を達成し、より素晴らしい成績を残す打者へ成長してほしいと思う。 というよりそうなるのは当たり前だと信じて、来年も応援したいと思う。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 21

Latest Images

Trending Articles





Latest Images